心不全を呈し緊急手術で救命しえた心嚢内気管支原性嚢腫の1例

症例は胸痛と呼吸困難を主訴とした26歳,女性で,初診時起坐呼吸と上大静脈症候群を認め,心不全症状を呈していた.心臓超音波検査と造影CT検査により径8cm大の心臓部腫瘤が左背側より心臓を圧排し,右肺動脈と上大静脈を圧排閉塞していた.緊急開胸手術を施行すると,腫瘤は心嚢内気管支原性嚢腫であり嚢腫切除を施行した.術後経過は良好で軽快退院した.心嚢内気管支原性嚢腫はまれな疾患で,本症例は術前の心臓超音波検査や胸部造影CT検査が有用であった.また本症例を救命するために緊急開胸手術を積極的に行うことが重要であった....

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 21; no. 4; pp. 608 - 612
Main Authors 清水, 光行, 秋葉, 直志, 森川, 利昭, 安江, 英晴, 滝沢, 信一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2007
Subjects
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.21.608

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Summary:症例は胸痛と呼吸困難を主訴とした26歳,女性で,初診時起坐呼吸と上大静脈症候群を認め,心不全症状を呈していた.心臓超音波検査と造影CT検査により径8cm大の心臓部腫瘤が左背側より心臓を圧排し,右肺動脈と上大静脈を圧排閉塞していた.緊急開胸手術を施行すると,腫瘤は心嚢内気管支原性嚢腫であり嚢腫切除を施行した.術後経過は良好で軽快退院した.心嚢内気管支原性嚢腫はまれな疾患で,本症例は術前の心臓超音波検査や胸部造影CT検査が有用であった.また本症例を救命するために緊急開胸手術を積極的に行うことが重要であった.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.21.608