反復する運動後の筋痛により診断に至った骨格筋型極長鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症の成人例

症例は21歳,女性で,長時間の立ち仕事の後に横紋筋融解症を発症した.学童期より間欠的に運動後の筋痛と筋力低下を繰り返した病歴があるが,非発作時には筋力低下や血清クレアチンキナーゼ(creatine kinase:CK)値上昇は認めなかった.血清アシルカルニチン分析の結果から極長鎖アシルCoA脱水素酵素(very long-chain acyl-coenzyme A dehydrogenase:VLCAD)欠損症が疑われ,β酸化能の測定により診断が確定した.反復する運動後の筋痛を主訴とする場合,成人においても先天性脂肪酸代謝異常症を念頭に置き,アシルカルニチン分析を検討すべきである....

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 104; no. 11; pp. 2381 - 2387
Main Authors 中馬越, 清隆, 山田, 健治, 石井, 亜紀子, 玉岡, 晃, 山本, 詞子, 山口, 清次
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 2015
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ISSN0021-5384
1883-2083
DOI10.2169/naika.104.2381

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Summary:症例は21歳,女性で,長時間の立ち仕事の後に横紋筋融解症を発症した.学童期より間欠的に運動後の筋痛と筋力低下を繰り返した病歴があるが,非発作時には筋力低下や血清クレアチンキナーゼ(creatine kinase:CK)値上昇は認めなかった.血清アシルカルニチン分析の結果から極長鎖アシルCoA脱水素酵素(very long-chain acyl-coenzyme A dehydrogenase:VLCAD)欠損症が疑われ,β酸化能の測定により診断が確定した.反復する運動後の筋痛を主訴とする場合,成人においても先天性脂肪酸代謝異常症を念頭に置き,アシルカルニチン分析を検討すべきである.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.104.2381