若年女性におけるナッジを用いた階段利用促進 環境保全メッセージは有効か

「I 緒言」 定期的な身体活動や運動は, 身体的および心理的なウェル・ビーイングの維持に有益である(World Health Organization, 2018). わが国の健康づくり対策においても, 身体活動量の増加や運動習慣の定着といった身体活動の促進は, 長年重点課題として取り組みが行われてきた. しかしながら, 国民健康・栄養調査の結果(厚生労働省, 2020)によると, 最近10年間で運動習慣のある者の割合は男性で有意な増減はなく, 女性では有意に減少していることが明らかになっている. また, 運動習慣改善の意思に関する調査では, 20歳代女性の44.9%が改善する意思がない(「改...

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Published in体育学研究 Vol. 67; pp. 319 - 327
Main Author 松本, 裕史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本体育・スポーツ・健康学会 2022
日本体育・スポーツ・健康学会
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ISSN0484-6710
1881-7718
DOI10.5432/jjpehss.21140

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Summary:「I 緒言」 定期的な身体活動や運動は, 身体的および心理的なウェル・ビーイングの維持に有益である(World Health Organization, 2018). わが国の健康づくり対策においても, 身体活動量の増加や運動習慣の定着といった身体活動の促進は, 長年重点課題として取り組みが行われてきた. しかしながら, 国民健康・栄養調査の結果(厚生労働省, 2020)によると, 最近10年間で運動習慣のある者の割合は男性で有意な増減はなく, 女性では有意に減少していることが明らかになっている. また, 運動習慣改善の意思に関する調査では, 20歳代女性の44.9%が改善する意思がない(「改善することに関心がない」および「関心はあるが改善するつもりはない」)と回答しており, その数値は男女すべての年齢層の中で最も高い数値であった(厚生労働省, 2020). このような背景から, 身体活動の促進は喫緊の課題であり, 特に身体的に不活動な若年女性への効果的な介入方法が求められている.
ISSN:0484-6710
1881-7718
DOI:10.5432/jjpehss.21140