殺菌剤ピラジフルミドの開発

「はじめに」世界の農業生産場面において, 安定した収量を確保するために作物を病害虫から保護することは重要な課題のひとつである. 病害防除場面においてもこれまで各種殺菌剤が開発されてきたが, 高い生物性能, 安全性, 加えて低環境負荷型薬剤のニーズが高まっている. さらには多様な栽培様式に適合した薬剤の開発も望まれている. ピラジフルミドは日本農薬(株)によって発明・開発されたピラジンカルボキサミド骨格を有する新規殺菌剤である. 本化合物は子嚢菌類, 担子菌類および不完全菌類に属する各種植物病原菌に対し高い抗菌活性を示し, 効果持続性, 治療性, 耐雨性等の優れた生物特性を有する. 圃場試験にお...

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Published in日本農薬学会誌 Vol. 45; no. 2; pp. 87 - 88
Main Authors 菊武, 和彦, 古谷, 敬, 長谷部, 元宏, 織田, 雅次, 長井, 寛明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農薬学会 20.08.2020
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ISSN2187-0365
2187-8692
DOI10.1584/jpestics.W20-27

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Summary:「はじめに」世界の農業生産場面において, 安定した収量を確保するために作物を病害虫から保護することは重要な課題のひとつである. 病害防除場面においてもこれまで各種殺菌剤が開発されてきたが, 高い生物性能, 安全性, 加えて低環境負荷型薬剤のニーズが高まっている. さらには多様な栽培様式に適合した薬剤の開発も望まれている. ピラジフルミドは日本農薬(株)によって発明・開発されたピラジンカルボキサミド骨格を有する新規殺菌剤である. 本化合物は子嚢菌類, 担子菌類および不完全菌類に属する各種植物病原菌に対し高い抗菌活性を示し, 効果持続性, 治療性, 耐雨性等の優れた生物特性を有する. 圃場試験においても菌核病, 灰色かび病, うどんこ病等に高い防除効果を示し2018年に野菜用としてパレード20フロアブル, 果樹用としてパレード15フロアブル, 芝用としてディサイドフロアブルを国内で上市した.
ISSN:2187-0365
2187-8692
DOI:10.1584/jpestics.W20-27