Ianniruberto-Marrucci モデルを用いた計算機シミュレーションによる高分子準希薄溶液の流動誘起相分離のダイナミックスに関する研究

一相状態にある高分子準希薄溶液にせん断流動を印加すると流動誘起相分離がおこる.筆者らはこの現象をシミュレーションするために Doi-Onuki の二流体モデルに Ianniruberto-Marrucci モデル(IM モデル)を組み入れた計算法を開発した.IM モデルを用いることによって,流動誘起相分離過程における濃度ゆらぎの時間発展のみならず,今までのモデルではあらわせなかった,応力の時間発展もシミュレーションできることがわかった.特に,応力の時間発展においてからみ合いに由来するオーバーシュート現象,および濃度ゆらぎの緩和によるオーバーシュートがみられ,実験とのよい一致をみた....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in高分子論文集 Vol. 64; no. 5; pp. 324 - 327
Main Authors 竹中, 幹人, 長谷川, 博一, 谷口, 貴志, 西辻, 祥太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 高分子学会 2007
Online AccessGet full text
ISSN0386-2186
1881-5685
DOI10.1295/koron.64.324

Cover

More Information
Summary:一相状態にある高分子準希薄溶液にせん断流動を印加すると流動誘起相分離がおこる.筆者らはこの現象をシミュレーションするために Doi-Onuki の二流体モデルに Ianniruberto-Marrucci モデル(IM モデル)を組み入れた計算法を開発した.IM モデルを用いることによって,流動誘起相分離過程における濃度ゆらぎの時間発展のみならず,今までのモデルではあらわせなかった,応力の時間発展もシミュレーションできることがわかった.特に,応力の時間発展においてからみ合いに由来するオーバーシュート現象,および濃度ゆらぎの緩和によるオーバーシュートがみられ,実験とのよい一致をみた.
ISSN:0386-2186
1881-5685
DOI:10.1295/koron.64.324