柔道のかけひきの概念構造に関する検討 動作測定尺度の構成を通して

「I 研究の発端」我が国の伝統的な身体運動文化の1つである柔道は, 体育授業における武道領域の種目として位置づけられ, 現在多くの中・高等学校等において指導されている. この柔道の学習内容については, 平成29年に告示された現行の中学校学習指導要領に, 「柔道では, 相手の動きの変化に応じた基本動作や基本となる技, 連絡技を用いて, 相手を崩して投げたり, 抑えたりするなどの攻防をすること(文部科学省, 2017)」と示されている. この文章をそのまま読み解くならば, 教科体育における柔道においては, 技能に関する学習内容として, 基本動作や各種の柔道の技を最終的に「相手の変化に応じた」攻防と...

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Published in体育学研究 Vol. 68; pp. 327 - 342
Main Authors 金野, 潤, 岡崎, 綾子, 有山, 篤利, 山本, 浩二, 宝正, 隆志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本体育・スポーツ・健康学会 2023
日本体育・スポーツ・健康学会
Subjects
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ISSN0484-6710
1881-7718
DOI10.5432/jjpehss.22108

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Summary:「I 研究の発端」我が国の伝統的な身体運動文化の1つである柔道は, 体育授業における武道領域の種目として位置づけられ, 現在多くの中・高等学校等において指導されている. この柔道の学習内容については, 平成29年に告示された現行の中学校学習指導要領に, 「柔道では, 相手の動きの変化に応じた基本動作や基本となる技, 連絡技を用いて, 相手を崩して投げたり, 抑えたりするなどの攻防をすること(文部科学省, 2017)」と示されている. この文章をそのまま読み解くならば, 教科体育における柔道においては, 技能に関する学習内容として, 基本動作や各種の柔道の技を最終的に「相手の変化に応じた」攻防として組み立てることが求められている. しかし, この趣旨に則って学習を展開する際に留意すべき点がある. 柔道における攻防は, 単に自分の得意技をつなげるという一方通行で絶対的な主体性発揮のみで成立するものではないということである.
ISSN:0484-6710
1881-7718
DOI:10.5432/jjpehss.22108