日本近海の太平洋側外洋水のCODの長期変動と瀬戸内海のCODに及ぼす影響

徳島県沖の外洋水を調査した結果, 2015年3月~2016年9月までのCODの平均値は, 表層から50 m層までは1.2 mg L-1程度, 100 m以深では0.9 mg L-1以下であり, 表層付近で高く底層で低くなる傾向が見られた。これらの値は1970年代から1990年代にかけて調査された近接する外洋地点のCODに比べて増加しており, 外洋水のCODは1975年から2015年の40年間を通して上昇傾向にあることが示唆された。また, 太平洋沿岸域の公共用水域測定地点のうち, 特に陸域の影響を受けにくいと考えられる地点のCODの平均値と広域総合水質調査結果の瀬戸内海の中央部~西部の湾・灘のC...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inMizu Kankyō Gakkaishi Vol. 40; no. 5; pp. 189 - 197
Main Authors 矢吹, 芳教, 小野, 純子, 相子, 伸之, 中嶋, 昌紀, 田中, 咲絵, 駒井, 幸雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published Tokyo 公益社団法人 日本水環境学会 2017
Japan Science and Technology Agency
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:徳島県沖の外洋水を調査した結果, 2015年3月~2016年9月までのCODの平均値は, 表層から50 m層までは1.2 mg L-1程度, 100 m以深では0.9 mg L-1以下であり, 表層付近で高く底層で低くなる傾向が見られた。これらの値は1970年代から1990年代にかけて調査された近接する外洋地点のCODに比べて増加しており, 外洋水のCODは1975年から2015年の40年間を通して上昇傾向にあることが示唆された。また, 太平洋沿岸域の公共用水域測定地点のうち, 特に陸域の影響を受けにくいと考えられる地点のCODの平均値と広域総合水質調査結果の瀬戸内海の中央部~西部の湾・灘のCODとの間には統計的に有意な正の相関が見られ, 瀬戸内海のCODが減少せずに漸増傾向にある原因として, 外洋水の影響が示唆された。
Bibliography:ObjectType-Article-1
SourceType-Scholarly Journals-1
ObjectType-Feature-2
content type line 14
ISSN:0916-8958
1881-3690
DOI:10.2965/jswe.40.189