13 本邦産野外捕集蚊からのウエストナイルウイルスの検出 : 2004年度前期報告(第56回日本衛生動物学会東日本支部大会講演要旨)

米国におけるウエストナイル(WN)熱の流行は年々西へと拡大し, 1999年ニューヨークでの流行から5年目の2004年, カリフォルニア州とアリゾナ州で今年度全米最高の感染者数を記録し, オレゴン州では野鳥と馬に初めて感染個体が見つかった. これでWNウイルスが検出されていない米国本土の州はワシントン州とアラスカ州のみとなり, 日本へのWNウイルスの侵入が一層現実味を増した状況となってきた. このような背景の下に我々は, 2003年度よりウイルス分離を最終目標とし, ヒトスジシマカ由来培養細胞C6/36を用いる継代培養, およびTaqMan RT-PCRによる培養上清からのウイルス遺伝子の検出法...

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Published inMedical Entomology and Zoology Vol. 56; no. 2; p. 160
Main Authors 佐藤, 英毅, 佐々木, 年則, 小林, 睦生, 田村, 安雄, 沢辺, 京子, 星野, 啓太, 伊澤, 晴彦, 比嘉, 由紀子, 宮川, 憲三, 福士, 克男, 津田, 良夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本衛生動物学会 2005
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ISSN0424-7086
2185-5609
DOI10.7601/mez.56.160_2

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Summary:米国におけるウエストナイル(WN)熱の流行は年々西へと拡大し, 1999年ニューヨークでの流行から5年目の2004年, カリフォルニア州とアリゾナ州で今年度全米最高の感染者数を記録し, オレゴン州では野鳥と馬に初めて感染個体が見つかった. これでWNウイルスが検出されていない米国本土の州はワシントン州とアラスカ州のみとなり, 日本へのWNウイルスの侵入が一層現実味を増した状況となってきた. このような背景の下に我々は, 2003年度よりウイルス分離を最終目標とし, ヒトスジシマカ由来培養細胞C6/36を用いる継代培養, およびTaqMan RT-PCRによる培養上清からのウイルス遺伝子の検出法について検討を加えてきた. 2003年度は, 国内8地域で捕集した合計7,281個体, 322プールの蚊に対してWNウイルス遺伝子の検出を実施し, 捕集されたすべての蚊プールにおいて陰性判定を得たことを第55回日本衛生動物学会大会(福井市)において報告した. 2004年度は昨年度の結果を再検討し, ウイルス検出ならびに分離方法に若干の改良を加えた. これまでのところ, 国内8地域, 合計7,735個体, 524プールの捕集蚊に対してWNウイルス検出を実施したのでその結果を報告する.
ISSN:0424-7086
2185-5609
DOI:10.7601/mez.56.160_2