馬尾症候群を呈した血管内リンパ腫の1例
症例は68歳,女性.ステロイド抵抗性の進行性両下肢筋力低下を認め,馬尾症候群を呈した.MRIで馬尾の異常増強効果を認め,髄液細胞のフローサイトメトリー(FCM)でκ鎖優位のB細胞,骨髄・髄液検体を用いたPCRでcomplementarity-determining region(CDR)III領域の再構成を認めたことから,B細胞の腫瘍性増殖が示唆された.臨床像から血管内リンパ腫(intravascular lymphoma:IVL)を最も疑い,化学療法を施行し下肢筋力の改善を得た.ステロイド治療が無効であっても馬尾症候群をみた際にはIVLを鑑別に含める必要がある....
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Published in | 日本内科学会雑誌 Vol. 103; no. 7; pp. 1696 - 1698 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本内科学会
2014
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0021-5384 1883-2083 |
DOI | 10.2169/naika.103.1696 |
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Summary: | 症例は68歳,女性.ステロイド抵抗性の進行性両下肢筋力低下を認め,馬尾症候群を呈した.MRIで馬尾の異常増強効果を認め,髄液細胞のフローサイトメトリー(FCM)でκ鎖優位のB細胞,骨髄・髄液検体を用いたPCRでcomplementarity-determining region(CDR)III領域の再構成を認めたことから,B細胞の腫瘍性増殖が示唆された.臨床像から血管内リンパ腫(intravascular lymphoma:IVL)を最も疑い,化学療法を施行し下肢筋力の改善を得た.ステロイド治療が無効であっても馬尾症候群をみた際にはIVLを鑑別に含める必要がある. |
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ISSN: | 0021-5384 1883-2083 |
DOI: | 10.2169/naika.103.1696 |