副腎静脈還流異常により診断に苦慮したアルドステロン産生腺腫の1例

56歳,男性.高血圧と低カリウム血症を呈し,内分泌負荷試験で原発性アルドステロン症(primary aldosteronism:PA)が強く疑われた.CT(computed tomography)で左副腎に8 mm大の腺腫を認めるも,通常の副腎静脈サンプリング(adrenal venous sampling:AVS)ではアルドステロン過剰分泌は認めなかった.CTを併用した副腎動脈造影で,左副腎腺腫から左腎被膜静脈と左腎静脈分枝への導出を同定し,アルドステロン過剰分泌を証明した.腹腔鏡下左副腎摘除術にて治癒した.副腎静脈還流異常により通常のAVSでは診断不能な症例が存在する....

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 106; no. 8; pp. 1632 - 1639
Main Authors 新森, 徳長, 北, 俊弘, 川口, 隆久, 宮下, 和季, 栗原, 勲, 伊藤, 裕, 小黒, 草太, 中塚, 誠之, 古小路, 英二, 北村, 和雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 10.08.2017
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Summary:56歳,男性.高血圧と低カリウム血症を呈し,内分泌負荷試験で原発性アルドステロン症(primary aldosteronism:PA)が強く疑われた.CT(computed tomography)で左副腎に8 mm大の腺腫を認めるも,通常の副腎静脈サンプリング(adrenal venous sampling:AVS)ではアルドステロン過剰分泌は認めなかった.CTを併用した副腎動脈造影で,左副腎腺腫から左腎被膜静脈と左腎静脈分枝への導出を同定し,アルドステロン過剰分泌を証明した.腹腔鏡下左副腎摘除術にて治癒した.副腎静脈還流異常により通常のAVSでは診断不能な症例が存在する.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.106.1632