肺アスペルギローマ術後切除断端に発症した非結核性抗酸菌症の1例

今回われわれは,肺アスペルギローマ術後切除断端に発生した非結核性抗酸菌症の1例を経験したので報告する.症例は68歳,男性.糖尿病で治療中である.2001年10月,アスペルギローマにて右肺上葉部分切除術が施行された.術後経過観察中に切除断端に結節影が出現し,増大を認めたため,アスペルギローマ再発を疑い,2006年5月に右肺上葉切除術を施行した.術後にMycobacterium aviumが検出され,病理診断は断端近傍に生じた類上皮肉芽腫であったため,非結核性抗酸菌による炎症性結節と診断した.肺部分切除や区域切除術後の断端に結節影が出現した場合は,稀ではあるが非結核性抗酸菌感染も考慮すべきである....

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 22; no. 1; pp. 35 - 38
Main Authors 江口, 隆, 椎名, 隆之, 天野, 純, 近藤, 竜一, 蔵井, 誠, 富永, 義明, 吉田, 和夫, 加藤, 響子, 小林, 宣隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2008
Subjects
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.22.035

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Summary:今回われわれは,肺アスペルギローマ術後切除断端に発生した非結核性抗酸菌症の1例を経験したので報告する.症例は68歳,男性.糖尿病で治療中である.2001年10月,アスペルギローマにて右肺上葉部分切除術が施行された.術後経過観察中に切除断端に結節影が出現し,増大を認めたため,アスペルギローマ再発を疑い,2006年5月に右肺上葉切除術を施行した.術後にMycobacterium aviumが検出され,病理診断は断端近傍に生じた類上皮肉芽腫であったため,非結核性抗酸菌による炎症性結節と診断した.肺部分切除や区域切除術後の断端に結節影が出現した場合は,稀ではあるが非結核性抗酸菌感染も考慮すべきである.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.22.035