たこつぼ様心筋障害を合併した褐色細胞腫クリーゼの1剖検例
意識障害で搬送された76歳女性.心電図でST上昇があり,冠動脈及び左心室造影を施行し,たこつぼ様心筋障害が診断された.腹部単純CT(computed tomography)で55 mmの右副腎腫瘍を認め褐色細胞腫が疑われ,保存的治療に加え,α遮断薬を投与したが,同日に突然呼吸停止し,死亡した.剖検・病理学的所見では,右褐色細胞腫及び褐色細胞腫クリーゼによる多臓器不全であった.褐色細胞腫は稀な疾患であるが,クリーゼを併発した場合は致死的である.早期の診断・治療が重要である....
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Published in | 日本内科学会雑誌 Vol. 107; no. 8; pp. 1543 - 1550 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本内科学会
10.08.2018
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Summary: | 意識障害で搬送された76歳女性.心電図でST上昇があり,冠動脈及び左心室造影を施行し,たこつぼ様心筋障害が診断された.腹部単純CT(computed tomography)で55 mmの右副腎腫瘍を認め褐色細胞腫が疑われ,保存的治療に加え,α遮断薬を投与したが,同日に突然呼吸停止し,死亡した.剖検・病理学的所見では,右褐色細胞腫及び褐色細胞腫クリーゼによる多臓器不全であった.褐色細胞腫は稀な疾患であるが,クリーゼを併発した場合は致死的である.早期の診断・治療が重要である. |
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ISSN: | 0021-5384 1883-2083 |
DOI: | 10.2169/naika.107.1543 |