埼玉県中西部地域における地下水ヒ素汚染と鉄酸化物分別溶解法を適用した土壌から地下水へのヒ素溶出メカニズムの解析

埼玉県中西部地域では, 自然由来の地下水ヒ素汚染が頻繁に認められている。この地域の地下水質特性は概ね共通しており, 還元環境下の地下水からヒ素とともに高濃度の鉄が検出されている。本研究では, 鉄酸化物分別溶解法を適用して当該地域における地下水へのヒ素溶出メカニズムを解析する。抽出法としては改良BCR, Tamm, 修正DC法を選定し, これらの方法を掘削した地質試料 (地点A及びB) へ適用した。地質試料を用いた抽出実験の結果から, ジチオナイト-クエン酸ナトリウムの混合溶液を用いる修正DC法が当該地域におけるヒ素溶出メカニズムの解析手法として適していることが分かった。修正DC法によるヒ素及び...

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Published inMizu Kankyō Gakkaishi Vol. 40; no. 3; pp. 135 - 143
Main Authors 石山, 高, 八戸, 昭一, 濱元, 栄起
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published Tokyo 公益社団法人 日本水環境学会 2017
Japan Science and Technology Agency
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ISSN0916-8958
1881-3690
DOI10.2965/jswe.40.135

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Summary:埼玉県中西部地域では, 自然由来の地下水ヒ素汚染が頻繁に認められている。この地域の地下水質特性は概ね共通しており, 還元環境下の地下水からヒ素とともに高濃度の鉄が検出されている。本研究では, 鉄酸化物分別溶解法を適用して当該地域における地下水へのヒ素溶出メカニズムを解析する。抽出法としては改良BCR, Tamm, 修正DC法を選定し, これらの方法を掘削した地質試料 (地点A及びB) へ適用した。地質試料を用いた抽出実験の結果から, ジチオナイト-クエン酸ナトリウムの混合溶液を用いる修正DC法が当該地域におけるヒ素溶出メカニズムの解析手法として適していることが分かった。修正DC法によるヒ素及び鉄の抽出量の関係は, 良好な直線となった (地点A:R2=0.75 (n=19) , 地点B:R2=0.65 (n=32) ) 。この結果から, 当該地域の地下水ヒ素汚染は鉄の還元溶出と深く関わっており, ヒ素の供給源は主として地質中の鉄酸化物であることが分かった。
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ISSN:0916-8958
1881-3690
DOI:10.2965/jswe.40.135