7 粘着式ライトトラップの捕獲能力に対するテープの色と粘着剤の影響(一般講演,第55回日本衛生動物学会南日本支部大会講演要旨)

• Published in: Medical Entomology and Zoology Vol. 57; no. 2; p. 173
• Main Authors: 荻野, 和正, 原, 弘之, 大園, 右文
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 日本衛生動物学会 2006
• ISSN: 0424-7086; 2185-5609
• DOI: 10.7601/mez.57.173_3

月平均して1000頭以上の昆虫が1トラップに捕獲され, 主要な捕獲昆虫がチョウバエ類, クロバネキノコバエ類及びチャタテ類等小型の昆虫類である食肉工場において, 粘着式ライトトラップの捕獲用粘着テープの性能について評価を行った. 本工場内では, 時期によっては中型種のトゲハネバエ等も目立って捕獲される他, 大型種であるクロバエ類の侵入や発生も散見されるものの, 目視で検出される数に比して捕獲数力沙なレ傾向にあった. まず, 市販されている捕獲用粘着テープ2種の比較を行ったところ, 大型ハエ類の捕獲数に関し大きな違いが見られた. さらに各々のテープに捕獲される昆虫種の比較を行った結果, 大型ハエ類ばかりでなく, 小型昆虫類に関しても捕獲に偏りが見出された. 続いて, 粘着テープの色を変えた試作品を捕獲試験に供し, その捕獲特性を確認したところ, 昆虫種によっては固有の色に対し捕獲される傾向にあることがわかった. 大型種ハエ類は黄色に, また, ユスリカ類, クロバネキノコバエ類は濃緑色に捕獲される傾向が大きかった. 黄色テープについては, 大型種の捕獲能力は高かったものの, 小型昆虫の捕獲能力に劣った. 他試作品の色は赤, 橙, 淡緑色であるが, 赤は何れの昆虫も十分捕獲できなかった. 粘着剤に関しては, その粘着強度が捕獲能に影響を与える傾向も見られたが十分な根拠が得られなかったため, 今後の課題とする.