肺動静脈奇形を有するRendu-Osler-Weber病の一家系

肺動静脈奇形(Pulmonary Arteriovenous Malformation,以下PAVM)を有するRendu-Osler-Weber病の一家系で,4例のPAVM治療例を経験したので報告する.症例1(45歳,女性)は左舌区の孤発性PAVMに対し開胸下舌区域切除術を,症例2(16歳,男性)は右S9及びS10に限局した多発性PAVMに対し胸腔鏡下肺楔状切除術を,症例3(19歳,女性)は両側多発性PAVMに対し経カテーテル塞栓術を,症例4(22歳,男性)は左S9に限局した孤発性PAVMに対し胸腔鏡下肺楔状切除術を施行した.PAVMは無症状であっても治療の適応となることが多く,治療の第一選択...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 21; no. 1; pp. 23 - 28
Main Authors 大成, 亮次, 向井, 勝紀, 宮田, 義浩, 西亀, 正之, 浅原, 利正, 吉岡, 伸吉郎, 多久和, 輝尚
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2007
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.21.023

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Summary:肺動静脈奇形(Pulmonary Arteriovenous Malformation,以下PAVM)を有するRendu-Osler-Weber病の一家系で,4例のPAVM治療例を経験したので報告する.症例1(45歳,女性)は左舌区の孤発性PAVMに対し開胸下舌区域切除術を,症例2(16歳,男性)は右S9及びS10に限局した多発性PAVMに対し胸腔鏡下肺楔状切除術を,症例3(19歳,女性)は両側多発性PAVMに対し経カテーテル塞栓術を,症例4(22歳,男性)は左S9に限局した孤発性PAVMに対し胸腔鏡下肺楔状切除術を施行した.PAVMは無症状であっても治療の適応となることが多く,治療の第一選択は経カテーテル塞栓術である.しかし,破裂や塞栓物質の逸脱などの偶発症の危険が予知される場合は,肺実質温存を念頭においた手術が適応となる.各治療法の長所と短所を充分検討したうえで,患者の希望に沿うよう治療法を選択するべきである.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.21.023