熊野海盆北縁部における三次元地震探査

東部南海トラフ海域の熊野海盆北縁部における三次元地震探査データの詳細解釈を実施した。本報告では,海底面下160 m 程度の浅層部における解釈結果を紹介する。海底面直下に 2 つの形状タイプの海底扇状地が分布しており,一方は円状かつ比較的小規模であり,他方は海盆の大部分を覆う大規模のものである。このような 2 種類の海底扇状地を含む堆積サイクルが最低 3 回繰り返されている。この堆積サイクルは周期的なもので,1 サイクルあたり数十ミリ秒の層厚を有しており,海水準変動との関連が示唆される。また,各サイクルにおいて,海底扇状地やチャネルの分布パターンが異なっており,上流側斜面の形状や海底谷の変化がそ...

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Published in物理探査 Vol. 59; no. 3; pp. 249 - 259
Main Authors 佐伯, 龍男, 稲盛, 隆穂, 高野, 修
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 物理探査学会 2006
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Summary:東部南海トラフ海域の熊野海盆北縁部における三次元地震探査データの詳細解釈を実施した。本報告では,海底面下160 m 程度の浅層部における解釈結果を紹介する。海底面直下に 2 つの形状タイプの海底扇状地が分布しており,一方は円状かつ比較的小規模であり,他方は海盆の大部分を覆う大規模のものである。このような 2 種類の海底扇状地を含む堆積サイクルが最低 3 回繰り返されている。この堆積サイクルは周期的なもので,1 サイクルあたり数十ミリ秒の層厚を有しており,海水準変動との関連が示唆される。また,各サイクルにおいて,海底扇状地やチャネルの分布パターンが異なっており,上流側斜面の形状や海底谷の変化がそれらのパターン形成に影響していると考えられる。
ISSN:0912-7984
1881-4824
DOI:10.3124/segj.59.249