木質構造におけるビス接合の現状と今後の課題

木質構造では様々なビスが用いられており,今後ますます普及していくことが予想される。本稿ではビスを用いた接合部について,国内外における諸規格および研究動向を概説した。ビスは釘やボルト等と同様に曲げ降伏型接合具として位置づけられ,共通の理論によりせん断耐力を評価できる。また,ビスの引き抜き抵抗は他の接合具と比較して大きいため,ロープ効果による荷重増加や斜め打ちによる引き抜き抵抗の活用,木材の横圧縮,横引張,せん断補強に有効である。今後の課題としては,国内の規格の整備,長期的な挙動の解明が必要である。...

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Published in木材学会誌 Vol. 61; no. 3; pp. 162 - 168
Main Author 小林, 研治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本木材学会 2015
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Summary:木質構造では様々なビスが用いられており,今後ますます普及していくことが予想される。本稿ではビスを用いた接合部について,国内外における諸規格および研究動向を概説した。ビスは釘やボルト等と同様に曲げ降伏型接合具として位置づけられ,共通の理論によりせん断耐力を評価できる。また,ビスの引き抜き抵抗は他の接合具と比較して大きいため,ロープ効果による荷重増加や斜め打ちによる引き抜き抵抗の活用,木材の横圧縮,横引張,せん断補強に有効である。今後の課題としては,国内の規格の整備,長期的な挙動の解明が必要である。
ISSN:0021-4795
1880-7577
DOI:10.2488/jwrs.61.162