北海道厚真町産カンバ人工林材の材質特性

北海道厚真町産のカンバ類(シラカンバ,ウダイカンバ,ダケカンバ)の人工林材の材質について調査を行った。高さ2m位置の樹幹から円板を採取し年輪幅の測定を行うとともに,JISに準拠した曲げ試験および圧縮試験を行った。初期成長における年輪幅は,シラカンバとウダイカンバに比べダケカンバは小さかった。いずれの樹種も樹心からの距離と密度の関係は樹心に近い側が若干密度が低め,もしくは変動が小さかった。密度が低いシラカンバの強度性能は,他の2樹種より低めであった。樹心に近い箇所の強度性能は低下していた。また,密度と強度性能の垂直変動は小さかった。これらの結果から,今回供試したカンバ類の人工林材は,これまで利用...

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Published in木材学会誌 Vol. 65; no. 4; pp. 189 - 194
Main Authors 大崎, 久司, 村上, 了, 秋津, 裕志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本木材学会 25.10.2019
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Summary:北海道厚真町産のカンバ類(シラカンバ,ウダイカンバ,ダケカンバ)の人工林材の材質について調査を行った。高さ2m位置の樹幹から円板を採取し年輪幅の測定を行うとともに,JISに準拠した曲げ試験および圧縮試験を行った。初期成長における年輪幅は,シラカンバとウダイカンバに比べダケカンバは小さかった。いずれの樹種も樹心からの距離と密度の関係は樹心に近い側が若干密度が低め,もしくは変動が小さかった。密度が低いシラカンバの強度性能は,他の2樹種より低めであった。樹心に近い箇所の強度性能は低下していた。また,密度と強度性能の垂直変動は小さかった。これらの結果から,今回供試したカンバ類の人工林材は,これまで利用されてきた天然林材と同様の強度性能があると示唆された。
ISSN:0021-4795
1880-7577
DOI:10.2488/jwrs.65.189