包括的高度慢性下肢虚血に対する血管内治療後足趾切断術の創部経過

【はじめに】包括的高度慢性下肢虚血は血管内治療の発展により切断高位が低減し,歩行能力の維持が可能となった.しかし,依然として小切断では治癒に至らない例も数多く存在する.【対象と方法】Ankle brachial index 0.9以下で足部以下の切断を行った31例(血管内治療あり12例,19例)を対象とした.血管内治療の有無で術後の創部経過を比較した.【結果】退院時(平均入院期間65日)の創部治癒は7例(23%)であり,血管治療あり4例(33%),3例(16%)で有意差はなかった(P=0.26).最終観察時の創部治癒は19例(61%)であり,血管治療あり10例(83%),9例(47%)で血管内...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in整形外科と災害外科 Vol. 74; no. 2; pp. 315 - 317
Main Authors 杉田, 敏明, 太田, 浩二, 金海, 光祐, 河野, 敦, 飯田, 圭一郎, 衛藤, 凱, 渡邊, 哲也, 矢野, 裕大, 原田, 岳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2025
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.74.315

Cover

More Information
Summary:【はじめに】包括的高度慢性下肢虚血は血管内治療の発展により切断高位が低減し,歩行能力の維持が可能となった.しかし,依然として小切断では治癒に至らない例も数多く存在する.【対象と方法】Ankle brachial index 0.9以下で足部以下の切断を行った31例(血管内治療あり12例,19例)を対象とした.血管内治療の有無で術後の創部経過を比較した.【結果】退院時(平均入院期間65日)の創部治癒は7例(23%)であり,血管治療あり4例(33%),3例(16%)で有意差はなかった(P=0.26).最終観察時の創部治癒は19例(61%)であり,血管治療あり10例(83%),9例(47%)で血管内治療ありは治癒例が多かった(P=0.045).【結論】包括的高度慢性下肢虚血に対し小切断を行う際,血管内治療は創部治癒に有効な可能性が示唆されたが,治癒には長期期間を要することが多かった.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.74.315