ぶどう膜炎,視神経網膜炎,無菌性髄膜炎を呈した猫ひっかき病の2例

症例1:45歳,男性.生来健康であったが,発熱・左眼視力低下があり,近医眼科を受診し,左眼視神経浮腫・網膜剝離を認め,当院眼科・内科へ紹介となった.眼科所見・身体所見・血液検査から猫ひっかき病と診断し,抗菌薬及びステロイド薬の内服・点眼で加療し,速やかに改善した.症例2:21歳,女性.生来健康であったが,発熱・項部硬直・右眼視力低下・腋窩・耳下部の疼痛を自覚し,近医内科・眼科を受診し,右視神経浮腫を指摘され,当院眼科・内科へ紹介受診となった.眼科所見・身体所見・血液検査から猫ひっかき病と診断,抗菌薬及びステロイド薬の内服・点眼加療で速やかに改善した.猫ひっかき病は,自然治癒傾向の軽症例から本症...

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 106; no. 12; pp. 2611 - 2619
Main Authors 谷口, 義典, 福田, 憲, 寺田, 典生, 天野, 絵梨, 溝渕(山本), 朋佳, 藤本, 新平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 10.12.2017
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ISSN0021-5384
1883-2083
DOI10.2169/naika.106.2611

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Summary:症例1:45歳,男性.生来健康であったが,発熱・左眼視力低下があり,近医眼科を受診し,左眼視神経浮腫・網膜剝離を認め,当院眼科・内科へ紹介となった.眼科所見・身体所見・血液検査から猫ひっかき病と診断し,抗菌薬及びステロイド薬の内服・点眼で加療し,速やかに改善した.症例2:21歳,女性.生来健康であったが,発熱・項部硬直・右眼視力低下・腋窩・耳下部の疼痛を自覚し,近医内科・眼科を受診し,右視神経浮腫を指摘され,当院眼科・内科へ紹介受診となった.眼科所見・身体所見・血液検査から猫ひっかき病と診断,抗菌薬及びステロイド薬の内服・点眼加療で速やかに改善した.猫ひっかき病は,自然治癒傾向の軽症例から本症例のように視神経網膜炎や髄膜炎を起こす重症例まであり,視神経網膜炎や髄膜炎を診た際には,猫ひっかき病を鑑別疾患の1つとして念頭に置くことが必要である.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.106.2611