高齢者上腕骨通顆骨折に対してテリパラチド併用の保存的治療を行い骨癒合が得られた2例

成人の上腕骨通顆骨折は,保存的治療では骨癒合が得られにくく,長期間の外固定により関節拘縮をきたしやすいため,観血的治療を選択されることが多い.上腕骨通顆骨折に対し,テリパラチドを併用した保存的治療で骨癒合が得られた2例を経験したので報告する.【症例1】96歳女性.当院入院中に転倒受傷.受傷翌日よりテリパラチドを開始.受傷日より受傷8週目まで外固定を行い,受傷10週目に三角巾を除去.受傷16週目の単純X線所見で骨癒合が得られた.受傷後24週の肘関節可動域は伸展-10度,屈曲110度であった.【症例2】83歳女性.自宅で転倒受傷,同日当院受診.シーネ固定し手術目的に他院へ紹介.他院で装具を用いた保...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 74; no. 2; pp. 266 - 269
Main Authors 平岡, 弘二, 吉光, 一浩, 古森, 元崇, 山内, 豊明, 樋口, 富士男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2025
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.74.266

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Summary:成人の上腕骨通顆骨折は,保存的治療では骨癒合が得られにくく,長期間の外固定により関節拘縮をきたしやすいため,観血的治療を選択されることが多い.上腕骨通顆骨折に対し,テリパラチドを併用した保存的治療で骨癒合が得られた2例を経験したので報告する.【症例1】96歳女性.当院入院中に転倒受傷.受傷翌日よりテリパラチドを開始.受傷日より受傷8週目まで外固定を行い,受傷10週目に三角巾を除去.受傷16週目の単純X線所見で骨癒合が得られた.受傷後24週の肘関節可動域は伸展-10度,屈曲110度であった.【症例2】83歳女性.自宅で転倒受傷,同日当院受診.シーネ固定し手術目的に他院へ紹介.他院で装具を用いた保存的治療がなされ受傷6週目に当院へ再紹介.同日からテリパラチドを開始.装具を継続.受傷20週目に装具除去.受傷24週目の単純X線所見で骨癒合が得られた.受傷後20週の肘関節可動域は伸展-20度,屈曲90度であった.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.74.266