顎下腺導管移行部唾石における鼻用内視鏡補助下での口内法の有用性

顎下腺移行部唾石に対しては,一般に顎下腺摘出術が行われていたが,近年ではより低侵襲な手術が行われつつある。今回,顎下腺移行部唾石8症例に対し,鼻用硬性内視鏡で観察しながら口内法での唾石摘出を行い,その有用性を評価し肉眼的な口内法や顎下腺摘出術と比較した。本法では,肉眼での観察では死角となる口腔底深部を詳細に描出でき,良好な術野を術者と助手が共有できる利点があり,唾石や舌神経などの周囲組織の観察を複数の術者が同時に行えるため,手術時間の短縮,合併症の軽減,教育面でも有効であると考えられた。唾液腺管内視鏡を有さない施設においては,行う価値がある有用な手術方法と考えられた。...

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Published in頭頸部外科 Vol. 33; no. 3; pp. 341 - 346
Main Authors 松本, 浩平, 田中, 藤信, 吉田, 晴郎, 熊井, 良彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2024
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.33.341

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Summary:顎下腺移行部唾石に対しては,一般に顎下腺摘出術が行われていたが,近年ではより低侵襲な手術が行われつつある。今回,顎下腺移行部唾石8症例に対し,鼻用硬性内視鏡で観察しながら口内法での唾石摘出を行い,その有用性を評価し肉眼的な口内法や顎下腺摘出術と比較した。本法では,肉眼での観察では死角となる口腔底深部を詳細に描出でき,良好な術野を術者と助手が共有できる利点があり,唾石や舌神経などの周囲組織の観察を複数の術者が同時に行えるため,手術時間の短縮,合併症の軽減,教育面でも有効であると考えられた。唾液腺管内視鏡を有さない施設においては,行う価値がある有用な手術方法と考えられた。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.33.341