HPVワクチンに関する最近のトピックス

「I はじめに」子宮頸癌は婦人科腫瘍領域の悪性腫瘍のなかで最も頻度の高い疾患で, その発生にはヒトパピローマウイルス(human papilloma virus, HPV)が関与しています. 近年, HPVに対するワクチンが開発され欧米を中心に積極的に接種されるようになってきました. 我が国でも平成25年3月より定期接種が開始されましたが, 多くの副反応が報告されたため, 同年6月以降の接種の勧奨は中断されています. 本稿は頸癌とHPVの関係, さらにワクチンとその副反応について最近の情報を概説します. 「II 子宮頸癌の特徴」子宮頸部は子宮の下1/3の筒状の部分で, ここに発生する癌を子宮頸...

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Published in信州医学雑誌 Vol. 62; no. 4; pp. 249 - 252
Main Author 塩沢, 丹里
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 信州医学会 10.08.2014
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Summary:「I はじめに」子宮頸癌は婦人科腫瘍領域の悪性腫瘍のなかで最も頻度の高い疾患で, その発生にはヒトパピローマウイルス(human papilloma virus, HPV)が関与しています. 近年, HPVに対するワクチンが開発され欧米を中心に積極的に接種されるようになってきました. 我が国でも平成25年3月より定期接種が開始されましたが, 多くの副反応が報告されたため, 同年6月以降の接種の勧奨は中断されています. 本稿は頸癌とHPVの関係, さらにワクチンとその副反応について最近の情報を概説します. 「II 子宮頸癌の特徴」子宮頸部は子宮の下1/3の筒状の部分で, ここに発生する癌を子宮頸癌と呼びます. 子宮頸部は厚さ約0.3mmの皮膚に似た扁平上皮で覆われていますが, この扁平上皮の一部に異型細胞が出現すると前癌病変である頸部異形成(あるいはcervical intraepithelial neoplasia, CIN)となります.
ISSN:0037-3826
1884-6580
DOI:10.11441/shinshumedj.62.249