カキ圃場でのハダニ類に対する土着天敵相,特に下草管理が土着天敵類の発生に及ぼす影響

奈良県のカキ圃場でナミハダニ黄緑型を人為的にインゲン苗に接種したインゲントラップを用い,ハダニ類の土着天敵相を調べた.その結果,ケナガカブリダニを中心とするカブリダニ類,ハダニタマバエ,ヒメハナカメムシ類,ハダニアザミウマが確認された. また,カキ圃場での下草管理が土着天敵に及ぼす影響を,地上に設置したインゲントラップおよびカキ樹上に設置したファイトトラップを用いて調べた.その結果,カブリダニ類の総捕獲数は,下草を放任した草生区に比べ除草区で有意に少なかった.しかし,ハダニタマバエの幼虫数には両区間で差はなかった.ファイトトラップでのカブリダニ類の総捕獲数には両区間で差はなく,発生消長も両区と...

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Published in日本ダニ学会誌 Vol. 18; no. 1; pp. 7 - 16
Main Authors 國本, 佳範, 仲摩, 朋葉, 天野, 洋, 高藤, 晃雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ダニ学会 2009
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Summary:奈良県のカキ圃場でナミハダニ黄緑型を人為的にインゲン苗に接種したインゲントラップを用い,ハダニ類の土着天敵相を調べた.その結果,ケナガカブリダニを中心とするカブリダニ類,ハダニタマバエ,ヒメハナカメムシ類,ハダニアザミウマが確認された. また,カキ圃場での下草管理が土着天敵に及ぼす影響を,地上に設置したインゲントラップおよびカキ樹上に設置したファイトトラップを用いて調べた.その結果,カブリダニ類の総捕獲数は,下草を放任した草生区に比べ除草区で有意に少なかった.しかし,ハダニタマバエの幼虫数には両区間で差はなかった.ファイトトラップでのカブリダニ類の総捕獲数には両区間で差はなく,発生消長も両区ともに同様であった.また,インゲントラップで多数捕獲されたケナガカブリダニはファイトトラップではまったく捕獲されなかった.
ISSN:0918-1067
1880-2273
DOI:10.2300/acari.18.7