マイクロ円筒トラバース研削の高精度化に関する研究

マイクロ円筒部品の研削加工においては,工作物径が微少であることによって剛性が極端に小さくなるため,加工中の研削抵抗による工作物の弾性変形が通常の研削の場合に比べて相対的に大きくなり,加工能率や加工精度に大きく影響するようになる.工作物に作用する研削抵抗の主体を占めるのは砥粒の切削方向に対する法線分力であるが,これを工作物剛性の高い方向に作用させることで工作物の変形を抑制できることが予測される.そこで本研究では,マイクロ円筒トラバース研削に直交軸方式を提案し,幾何学的切りくず形状などの解析によって従来のマクロサイズの円筒研削に多用される平行軸方式と比較検討している.さらに,試作したマイクロ円筒研...

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Published in砥粒加工学会誌 Vol. 50; no. 6; pp. 334 - 339
Main Authors 大橋, 一仁, 何, 桂馥, 光尾, 崇, 吉原, 啓太, 大西, 孝, 塚本, 真也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 砥粒加工学会 2006
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Summary:マイクロ円筒部品の研削加工においては,工作物径が微少であることによって剛性が極端に小さくなるため,加工中の研削抵抗による工作物の弾性変形が通常の研削の場合に比べて相対的に大きくなり,加工能率や加工精度に大きく影響するようになる.工作物に作用する研削抵抗の主体を占めるのは砥粒の切削方向に対する法線分力であるが,これを工作物剛性の高い方向に作用させることで工作物の変形を抑制できることが予測される.そこで本研究では,マイクロ円筒トラバース研削に直交軸方式を提案し,幾何学的切りくず形状などの解析によって従来のマクロサイズの円筒研削に多用される平行軸方式と比較検討している.さらに,試作したマイクロ円筒研削盤を用いてトラバース研削実験を行った結果,表面粗さや形状精度において直交軸方式が平行軸方式に比べて良好であることを明らかにしている.
ISSN:0914-2703
1880-7534
DOI:10.11420/jsat.50.334