採取時期の違いがサツマイモ (Ipomoea batatas Lam.) の葉ならびに葉柄の品質に及ぼす影響

サツマイモ葉や葉柄を野菜として使用する場合, 夏場に収穫することが多い. しかしながら, 塊根部分は10~11月に収穫するため茎葉のみ夏場に収穫するのは効率が悪い. そこで, ‘安納こがね’, ‘安納紅’, ‘べにはるか’の3品種を用い, 8月と11月に葉と葉柄を採取し, それぞれの葉柄長, 葉身の太さ, 色調, ポリフェノール, ラジカル捕捉活性を比較した. また, 葉柄の物性について加熱処理を施した場合についても検討した. その結果, 葉柄長は11月のほうが8月に採取したものよりも長かった. また, 11月に採取しても, 8月と比較して遜色ない色調や物性を保持していることが明らかになった....

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Published in日本家政学会誌 Vol. 71; no. 5; pp. 302 - 309
Main Authors 鶴永, 陽子, 斉藤, 真苗, 門脇, 正行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本家政学会 2020
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Summary:サツマイモ葉や葉柄を野菜として使用する場合, 夏場に収穫することが多い. しかしながら, 塊根部分は10~11月に収穫するため茎葉のみ夏場に収穫するのは効率が悪い. そこで, ‘安納こがね’, ‘安納紅’, ‘べにはるか’の3品種を用い, 8月と11月に葉と葉柄を採取し, それぞれの葉柄長, 葉身の太さ, 色調, ポリフェノール, ラジカル捕捉活性を比較した. また, 葉柄の物性について加熱処理を施した場合についても検討した. その結果, 葉柄長は11月のほうが8月に採取したものよりも長かった. また, 11月に採取しても, 8月と比較して遜色ない色調や物性を保持していることが明らかになった. さらに, サツマイモの葉と葉柄は採取時期に関係なくポリフェノール含量ならびに抗酸化性の高い食材であった. 葉柄に加熱処理を行うと, いずれの加熱方法においても柔らかくなった. 以上のことから, 塊根部分の採取と同時期の11月に採取したサツマイモの葉と葉柄の品質は, 8月のものと同等, もしくは優れていることが分かった.
ISSN:0913-5227
1882-0352
DOI:10.11428/jhej.71.302