大腿骨骨幹部骨折の矢状面における順行性髄内釘の刺入位置と整復位の検討
【目的】成人の大腿骨骨幹部骨折に対して順行性髄内釘挿入時に整復不良を生じる症例が散見される.矢状面における髄内釘の刺入位置が整復位に与える影響と骨癒合について検討した.【方法】2016年1月~2023年12月に当科で大腿骨骨幹部単純骨折(AO分類:32A)に対して髄内釘固定した18例を対象とし,矢状面における髄内釘刺入位置と整復位の関係を検討した.また骨癒合不良例3例と骨癒合例13例の2群に分け骨癒合不全に寄与する因子を検討した.【結果】矢状面の髄内釘刺入位置は骨折部屈曲変形,骨折部前方転位量に相関がみられ,大転子頂部中央刺入例は前方1/3刺入例と比較し矢状面の整復位が良好であった.骨癒合不良...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 74; no. 1; pp. 173 - 177 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
25.03.2025
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Subjects | |
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ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.74.173 |
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Summary: | 【目的】成人の大腿骨骨幹部骨折に対して順行性髄内釘挿入時に整復不良を生じる症例が散見される.矢状面における髄内釘の刺入位置が整復位に与える影響と骨癒合について検討した.【方法】2016年1月~2023年12月に当科で大腿骨骨幹部単純骨折(AO分類:32A)に対して髄内釘固定した18例を対象とし,矢状面における髄内釘刺入位置と整復位の関係を検討した.また骨癒合不良例3例と骨癒合例13例の2群に分け骨癒合不全に寄与する因子を検討した.【結果】矢状面の髄内釘刺入位置は骨折部屈曲変形,骨折部前方転位量に相関がみられ,大転子頂部中央刺入例は前方1/3刺入例と比較し矢状面の整復位が良好であった.骨癒合不良例は骨折部屈曲変形と骨折部直接的整復の有無に有意差がみられた.【結論】大腿骨骨幹部骨折の矢状面における順行性髄内釘の刺入位置はtrue lateral像で大転子頂部中央が望ましい. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.74.173 |