木質材料の耐久性能評価手法の確立 進展と今後の課題

木質パネルを構造用に使用する際,耐久性が重要となる。木質パネルの耐久性評価に関しては,屋外暴露試験,屋内暴露試験,促進劣化試験等が古くから多くの研究者らによって実施されてきた。しかしながら,これらを統一的に解釈する評価手法は確立されていないのが現状であろう。木質パネルの原料は,小径間伐材や建築解体材等のリサイクル資源へ,またパネルに使用される接着剤においても室内空気汚染問題を考慮し,低または非ホルムアルデヒド系接着剤へシフトしており,多様に変化する原材料や社会制度に対応可能な,木質パネルの耐久性能評価法の整備が求められている。本総説では,木質パネルの耐久性評価に関する既往の研究を概説するととも...

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Published in木材学会誌 Vol. 61; no. 3; pp. 178 - 185
Main Authors 小島, 陽一, 足立, 幸司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本木材学会 2015
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Summary:木質パネルを構造用に使用する際,耐久性が重要となる。木質パネルの耐久性評価に関しては,屋外暴露試験,屋内暴露試験,促進劣化試験等が古くから多くの研究者らによって実施されてきた。しかしながら,これらを統一的に解釈する評価手法は確立されていないのが現状であろう。木質パネルの原料は,小径間伐材や建築解体材等のリサイクル資源へ,またパネルに使用される接着剤においても室内空気汚染問題を考慮し,低または非ホルムアルデヒド系接着剤へシフトしており,多様に変化する原材料や社会制度に対応可能な,木質パネルの耐久性能評価法の整備が求められている。本総説では,木質パネルの耐久性評価に関する既往の研究を概説するとともに,筆者らが取り組んでいる耐久性評価プロジェクトの概要ならびに成果を紹介する。最後に木質材料全般における耐久性評価に関する将来展望および課題について述べる。
ISSN:0021-4795
1880-7577
DOI:10.2488/jwrs.61.178