磁気粘性流体を利用した鏡面創成技術の開発
光学部品や金型などの自由曲面を有する部品の鏡面創成技術の開発を目的に,磁気粘性流体(MRF)ベーススラリーを利用した新しい研磨技術を提案した.本報では,MRFベーススラリーによる鏡面創成機構の解明を行うため,電磁コイルが磁場発生源である内面研磨装置を用い,スラリーの動的挙動と電磁コイルの励磁電流および工作物回転数が加工特性に及ぼす影響について調べた.その結果,工作物回転数が低いほど,MRFベーススラリーのかく拌挙動は抑制され,スラリーの加工面に対する相対速度が増大することにより,加工作用が促進されることがわかった.また,このときスラリーに作用する遠心力も低下するため,砥粒切込み深さは低減し,微...
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Published in | 砥粒加工学会誌 Vol. 51; no. 4; pp. 238 - 243 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
社団法人 砥粒加工学会
2007
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0914-2703 1880-7534 |
DOI | 10.11420/jsat.51.238 |
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Summary: | 光学部品や金型などの自由曲面を有する部品の鏡面創成技術の開発を目的に,磁気粘性流体(MRF)ベーススラリーを利用した新しい研磨技術を提案した.本報では,MRFベーススラリーによる鏡面創成機構の解明を行うため,電磁コイルが磁場発生源である内面研磨装置を用い,スラリーの動的挙動と電磁コイルの励磁電流および工作物回転数が加工特性に及ぼす影響について調べた.その結果,工作物回転数が低いほど,MRFベーススラリーのかく拌挙動は抑制され,スラリーの加工面に対する相対速度が増大することにより,加工作用が促進されることがわかった.また,このときスラリーに作用する遠心力も低下するため,砥粒切込み深さは低減し,微小切込みに基づく平滑な加工面が形成されることを明らかにした.励磁電流が低いほどMRFベーススラリーの磁力および粘度が低下するため,遠心力の影響を受けてかく拌挙動が活発となり,除去加工作用の能率は低下するものの,砥粒切込み深さは低減されるため,最終的には微小切込みに基づく平滑な加工面が形成されることがわかった.さらに,砥粒の小径化は加工面への砥粒切込み深さを低減するため,波長の長いうねり成分の除去は困難であるが鏡面創成には有用であることを明らかにすることができた. |
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ISSN: | 0914-2703 1880-7534 |
DOI: | 10.11420/jsat.51.238 |