肺癌周術期自殺企図の一例

82歳男性.老人性うつ病の診断で数年来近医フォロー中であった.転倒し右脛腓骨近位端骨折受傷.当院整形外科入院となった.入院時胸部レントゲンで右肺結節影を指摘.肺癌が疑われた.骨折に対する手術後,胸腔鏡下右中葉切除+ND2a-1を行った.術3日目夜間,一般病室の窓の手すりに掛けたタオルで首をつっているところを同室者に発見された.ただちに解除され,自発呼吸,意識正常が確認された.集中治療室転室とし,完全監視とした.翌朝退院とし,精神科紹介とした.肺癌,うつは共に自殺のリスク因子である.両疾患の合併例では自殺リスクに最大限の注意を払う必要がある....

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 29; no. 2; pp. 215 - 219
Main Authors 能勢, 直弘, 宗, 哲哉, 宮田, 剛彰, 吉松, 隆, 関村, 敦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2015
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Summary:82歳男性.老人性うつ病の診断で数年来近医フォロー中であった.転倒し右脛腓骨近位端骨折受傷.当院整形外科入院となった.入院時胸部レントゲンで右肺結節影を指摘.肺癌が疑われた.骨折に対する手術後,胸腔鏡下右中葉切除+ND2a-1を行った.術3日目夜間,一般病室の窓の手すりに掛けたタオルで首をつっているところを同室者に発見された.ただちに解除され,自発呼吸,意識正常が確認された.集中治療室転室とし,完全監視とした.翌朝退院とし,精神科紹介とした.肺癌,うつは共に自殺のリスク因子である.両疾患の合併例では自殺リスクに最大限の注意を払う必要がある.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.29.215