腹腔鏡で切除した,上行結腸癌術後異時性孤立性脾転移の1例
症例は72歳,女性.上行結腸癌と診断し,開腹による結腸右半切除術+D3郭清を施行した(tub2 pss ly1 v1 pn1 (1/17) StageIIIa).術後1年目のスクリーニング検査でCEA値が5.5ng/mLと軽度上昇を示したため,全身検索を行った.腹部CT,MRI検査で,脾門部に25mm程度の腫瘤性病変を認めた.FDG-PET検査で,脾門部下方に限局性に集積異常を認めた.以上の検査結果より,上行結腸癌による異時性孤立性脾転移と診断し,標準的腹腔鏡下脾摘出術を施行した.手術時間は157分,出血量は87ml.病理組織学検査では,原発巣の上行結腸癌と同一であると診断された.脾門部リンパ...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 70; no. 6; pp. 1831 - 1835 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2009
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Subjects | |
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ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.70.1831 |
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Summary: | 症例は72歳,女性.上行結腸癌と診断し,開腹による結腸右半切除術+D3郭清を施行した(tub2 pss ly1 v1 pn1 (1/17) StageIIIa).術後1年目のスクリーニング検査でCEA値が5.5ng/mLと軽度上昇を示したため,全身検索を行った.腹部CT,MRI検査で,脾門部に25mm程度の腫瘤性病変を認めた.FDG-PET検査で,脾門部下方に限局性に集積異常を認めた.以上の検査結果より,上行結腸癌による異時性孤立性脾転移と診断し,標準的腹腔鏡下脾摘出術を施行した.手術時間は157分,出血量は87ml.病理組織学検査では,原発巣の上行結腸癌と同一であると診断された.脾門部リンパ節に転移はなく,脾被膜内に限局していた.患者は術後10日目に退院し,現在まで再発や転移は認めていない. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.70.1831 |