肝吸虫症に合併した胆管癌の1例
症例:59歳,男性.心窩部痛・嘔吐を主訴に当院受診した.血液検査にて肝機能異常,CA19-9の上昇を認めた.画像検査で総肝管から総胆管の偏心性の壁肥厚,肝内胆管の拡張を認めた.胆汁細胞診ではclassIIであったが,肝吸虫卵が証明された.駆虫後も総胆管の狭窄が増悪し,CA19-9も著増した.また肝吸虫症と胆管癌の合併の報告があり,胆管癌の可能性が否定できず開腹術を施行した.術中迅速病理にて胆管癌の診断に至った.左右肝管合流部まで浸潤し,傍大動脈リンパ節への転移も認め,根治性がないと判断し胆嚢摘出術,胆管空腸吻合術施行した. 考察:肝吸虫症に合併した胆管癌症例の報告はときにみられる.肝吸虫症を診...
Saved in:
Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 70; no. 5; pp. 1481 - 1485 |
---|---|
Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2009
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.70.1481 |
Cover
Summary: | 症例:59歳,男性.心窩部痛・嘔吐を主訴に当院受診した.血液検査にて肝機能異常,CA19-9の上昇を認めた.画像検査で総肝管から総胆管の偏心性の壁肥厚,肝内胆管の拡張を認めた.胆汁細胞診ではclassIIであったが,肝吸虫卵が証明された.駆虫後も総胆管の狭窄が増悪し,CA19-9も著増した.また肝吸虫症と胆管癌の合併の報告があり,胆管癌の可能性が否定できず開腹術を施行した.術中迅速病理にて胆管癌の診断に至った.左右肝管合流部まで浸潤し,傍大動脈リンパ節への転移も認め,根治性がないと判断し胆嚢摘出術,胆管空腸吻合術施行した. 考察:肝吸虫症に合併した胆管癌症例の報告はときにみられる.肝吸虫症を診断した場合,胆管癌の合併を考慮する必要があると考えられた. |
---|---|
ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.70.1481 |