直腸癌膵転移との鑑別が困難であった自己免疫性膵炎の1例

症例は72歳,女性.2006年1月,他院で直腸癌(高分化型管状腺癌,深達度A N0 H0 P0 M0 stageII)に対して腹会陰式直腸切断術を施行された.2008年1月の胸部CTで直腸癌の肺転移再発が疑われ,手術目的に当院へ紹介となった.FDG-PETで,肺以外に膵にFDGの集積する腫瘤が認められた.直腸癌の膵転移が疑われ,膵体尾部切除術,脾摘が施行された.術後の病理組織学的検査では悪性細胞は認められず,自己免疫性膵炎と診断された.2008年4月肺腫瘍に対して,胸腔鏡下右肺上葉部分切除術が施行され,病理組織学的には管状腺癌が認められ,直腸癌の肺転移との診断であった....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 70; no. 9; pp. 2786 - 2791
Main Authors 横山, 雄一郎, 吉見, 富洋, 山下, 裕玄, 佐藤, 始広, 斉藤, 仁昭, 永井, 秀雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2009
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Summary:症例は72歳,女性.2006年1月,他院で直腸癌(高分化型管状腺癌,深達度A N0 H0 P0 M0 stageII)に対して腹会陰式直腸切断術を施行された.2008年1月の胸部CTで直腸癌の肺転移再発が疑われ,手術目的に当院へ紹介となった.FDG-PETで,肺以外に膵にFDGの集積する腫瘤が認められた.直腸癌の膵転移が疑われ,膵体尾部切除術,脾摘が施行された.術後の病理組織学的検査では悪性細胞は認められず,自己免疫性膵炎と診断された.2008年4月肺腫瘍に対して,胸腔鏡下右肺上葉部分切除術が施行され,病理組織学的には管状腺癌が認められ,直腸癌の肺転移との診断であった.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.70.2786