珪肺症合併気胸及びその他の続発性自然気胸手術症例の検討
1993年2月より2011年12月までに経験した珪肺症合併気胸手術症例35例と,同期間におけるその他の続発性自然気胸手術症例62例を比較し,珪肺症合併気胸の外科治療上の問題点を検討した.患者背景では,年齢,性別,患側,Hugh-Jones classification,手術適応,手術手技に有意差はなかったが,喫煙指数が珪肺症合併気胸症例で有意に高かった.術後成績は,手術時間,出血量,ドレーン留置期間,追加療法,在院期間,合併症において有意差を認めなかった.しかし,珪肺症合併気胸症例では術後再発が7例(20%)あり,その他の続発性自然気胸症例の術後再発3例(4.8%)と比べ高く統計学的有意差を認...
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Published in | 日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 27; no. 4; pp. 417 - 422 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
2013
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Subjects | |
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ISSN | 0919-0945 1881-4158 |
DOI | 10.2995/jacsurg.27.417 |
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Summary: | 1993年2月より2011年12月までに経験した珪肺症合併気胸手術症例35例と,同期間におけるその他の続発性自然気胸手術症例62例を比較し,珪肺症合併気胸の外科治療上の問題点を検討した.患者背景では,年齢,性別,患側,Hugh-Jones classification,手術適応,手術手技に有意差はなかったが,喫煙指数が珪肺症合併気胸症例で有意に高かった.術後成績は,手術時間,出血量,ドレーン留置期間,追加療法,在院期間,合併症において有意差を認めなかった.しかし,珪肺症合併気胸症例では術後再発が7例(20%)あり,その他の続発性自然気胸症例の術後再発3例(4.8%)と比べ高く統計学的有意差を認めた.術後再発は多いが,術死・在院死に関して有意差をみとめず,手術はほぼ安全に施行可能である.珪肺症の持つ病理学特性から広範囲な臓側胸膜の被覆が再発率軽減に重要と考え,今後更なる術式の検討が必要である. |
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ISSN: | 0919-0945 1881-4158 |
DOI: | 10.2995/jacsurg.27.417 |