再発時に移行型胸膜中皮腫と診断された限局性悪性胸膜中皮腫の一例
81歳男性.胸部CTにて右第4肋骨に接する14 mm大および12 mm大の近接した結節影を指摘された.胸膜腫瘍を疑い,胸腔鏡下胸膜腫瘍切除+胸腔内温熱化学灌流術(Cisplatin 80 mg/m2, 43℃・60分)を施行した.病理学的に限局性二相型悪性胸膜中皮腫と診断された.24ヵ月後の胸部CTで前回病巣の40 mm尾側の右第6肋骨に接して22 mm大の結節影が新たに出現した.胸膜中皮腫の孤立性再発と診断し胸腔鏡下胸膜腫瘍切除+右下葉部分切除術を施行,病理学的に移行型悪性胸膜中皮腫と診断された.組織学的に初回手術時と類似しており,再発巣として矛盾はなかった.現在,再発なく経過観察中である....
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Published in | 日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 34; no. 2; pp. 143 - 148 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
15.03.2020
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Subjects | |
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ISSN | 0919-0945 1881-4158 |
DOI | 10.2995/jacsurg.34.143 |
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Summary: | 81歳男性.胸部CTにて右第4肋骨に接する14 mm大および12 mm大の近接した結節影を指摘された.胸膜腫瘍を疑い,胸腔鏡下胸膜腫瘍切除+胸腔内温熱化学灌流術(Cisplatin 80 mg/m2, 43℃・60分)を施行した.病理学的に限局性二相型悪性胸膜中皮腫と診断された.24ヵ月後の胸部CTで前回病巣の40 mm尾側の右第6肋骨に接して22 mm大の結節影が新たに出現した.胸膜中皮腫の孤立性再発と診断し胸腔鏡下胸膜腫瘍切除+右下葉部分切除術を施行,病理学的に移行型悪性胸膜中皮腫と診断された.組織学的に初回手術時と類似しており,再発巣として矛盾はなかった.現在,再発なく経過観察中である.移行型悪性胸膜中皮腫は上皮型悪性胸膜中皮腫の新しい形態学的分類で,上皮型に分類されるがその予後は肉腫型と同等とされる予後不良な病型である.稀な疾患であり,文献的な考察を踏まえ報告する. |
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ISSN: | 0919-0945 1881-4158 |
DOI: | 10.2995/jacsurg.34.143 |