Leriche 症候群の症状を呈した Listeria 感染性腹部大動脈瘤に対する rifampicin 浸漬人工血管置換術の1例
症例は72歳男性.腰痛・間歇性跛行・両下肢萎縮・陰萎を認めたため,2007年8月10日に当科をコンサルトされた.血液検査で炎症所見を認め,さらに,CTにて大動脈終末部の高度狭窄を伴った大動脈瘤を認めたため,感染性大動脈瘤と診断し,抗生剤治療を開始した.入院時の血液培養でListeria monocytogenesが検出された.同年9月6日に瘤切除・in situリファンピシン浸漬人工血管置換術・大網充填術を施行した.術後,下肢症状は劇的に改善し,陰萎も改善した.長期間の抗生剤投与を継続し,CRPは陰性化して,CTでも感染所見は認めなかった.術後18カ月を経過し,感染の再燃などなく外来通院中であ...
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Published in | 日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 38; no. 5; pp. 344 - 348 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
2009
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Subjects | |
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ISSN | 0285-1474 1883-4108 |
DOI | 10.4326/jjcvs.38.344 |
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Summary: | 症例は72歳男性.腰痛・間歇性跛行・両下肢萎縮・陰萎を認めたため,2007年8月10日に当科をコンサルトされた.血液検査で炎症所見を認め,さらに,CTにて大動脈終末部の高度狭窄を伴った大動脈瘤を認めたため,感染性大動脈瘤と診断し,抗生剤治療を開始した.入院時の血液培養でListeria monocytogenesが検出された.同年9月6日に瘤切除・in situリファンピシン浸漬人工血管置換術・大網充填術を施行した.術後,下肢症状は劇的に改善し,陰萎も改善した.長期間の抗生剤投与を継続し,CRPは陰性化して,CTでも感染所見は認めなかった.術後18カ月を経過し,感染の再燃などなく外来通院中である. |
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ISSN: | 0285-1474 1883-4108 |
DOI: | 10.4326/jjcvs.38.344 |