犬の壊死性遊走性紅斑を脂肪由来幹細胞療法で治療した1例

去勢雄,7歳齢のマルチーズが,顔や肉球に多発性の紅斑,びらん,痂皮を呈した。臨床および病理組織学的検査により,症例は慢性肝炎を伴った壊死性遊走性紅斑と診断された。肝庇護療法,アミノ酸輸液に加えて,脂肪由来幹細胞の静脈投与を行った結果,32日後に皮膚症状および低アルブミン血症は改善した。その後,アミノ酸製剤の補給を中止した後も,脂肪由来幹細胞療法を継続することで,20ヶ月間症状の再燃を認めなかったことから,脂肪由来幹細胞療法が犬の壊死性遊走性紅斑の有効な治療選択肢となる可能性が示唆された。...

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Published in獣医臨床皮膚科 Vol. 24; no. 3; pp. 141 - 145
Main Authors 布川, 康司, 伊從, 慶太, 川西, 歩, 池田, 博和, 籾山, 翔子, 布川, 伸子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本獣医皮膚科学会 2018
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ISSN1347-6416
1881-2236
DOI10.2736/jjvd.24.141

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Summary:去勢雄,7歳齢のマルチーズが,顔や肉球に多発性の紅斑,びらん,痂皮を呈した。臨床および病理組織学的検査により,症例は慢性肝炎を伴った壊死性遊走性紅斑と診断された。肝庇護療法,アミノ酸輸液に加えて,脂肪由来幹細胞の静脈投与を行った結果,32日後に皮膚症状および低アルブミン血症は改善した。その後,アミノ酸製剤の補給を中止した後も,脂肪由来幹細胞療法を継続することで,20ヶ月間症状の再燃を認めなかったことから,脂肪由来幹細胞療法が犬の壊死性遊走性紅斑の有効な治療選択肢となる可能性が示唆された。
ISSN:1347-6416
1881-2236
DOI:10.2736/jjvd.24.141