傍ストマヘルニアにてイレウス症状を呈した3例

症例1は74歳,女性.3年前に直腸癌で直腸切断術施行.腹痛で来院し,CTで傍ストマヘルニア陥頓と診断された.ストマの内側に筋膜の脆弱な部分が存在し,筋膜と腹膜を単閉鎖した.以後無再発である.症例2は79歳,女性.13年前に直腸癌で直腸切断術を施行.腹痛にて当院受診し,ストマの内側に膨隆が存在した.緊急手術施行し,ストマの内側にヘルニア門が存在し,小腸が陥頓していた.ヘルニア門の筋膜を単閉鎖し,以後無再発である.症例3は83歳,男性.6年前に膀胱癌で回腸導管作され,2年後に同部の傍ストマヘルニア陥頓にてコンポジットメッシュでヘルニア門を閉鎖した.3年後同部から膿が排出し,切開排膿した.根治手術を...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 70; no. 6; pp. 1759 - 1765
Main Authors 佐藤, 耕一郎, 武藤, 亮, 加藤, 博孝, 赤田, 徹弥, 伊藤, 靖, 阿部, 隆之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2009
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.70.1759

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Summary:症例1は74歳,女性.3年前に直腸癌で直腸切断術施行.腹痛で来院し,CTで傍ストマヘルニア陥頓と診断された.ストマの内側に筋膜の脆弱な部分が存在し,筋膜と腹膜を単閉鎖した.以後無再発である.症例2は79歳,女性.13年前に直腸癌で直腸切断術を施行.腹痛にて当院受診し,ストマの内側に膨隆が存在した.緊急手術施行し,ストマの内側にヘルニア門が存在し,小腸が陥頓していた.ヘルニア門の筋膜を単閉鎖し,以後無再発である.症例3は83歳,男性.6年前に膀胱癌で回腸導管作され,2年後に同部の傍ストマヘルニア陥頓にてコンポジットメッシュでヘルニア門を閉鎖した.3年後同部から膿が排出し,切開排膿した.根治手術を希望せず,保存的治療で,現在瘻孔化している.欠損部メッシュ被覆法は多くの文献のごとく有用であるが,自験例の様に使用時,感染に対し注意が必要である.また,小さな欠損部であれば筋膜の縫合閉鎖でも十分であると考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.70.1759