成人の先天性食道気管支瘻の1例

先天性食道気管支瘻の1手術例を経験したので報告する.症例は50歳,女性.喀血を主訴に前医を受診した.胸部CTで右S6を中心とした浸潤影と気管支拡張所見を認め,精査にて食道気管支瘻の診断となった.当科紹介となり,手術を施行した.繰り返す肺炎のためか肺動脈周囲の炎症は強かったが,瘻管周囲の炎症は軽度であった.瘻管は食道憩室を含め自動縫合器で切除し,右下葉切除を行った.気管支及び瘻管の断端は肋間筋弁で被覆した.病理所見では瘻管内に粘膜筋板及び重層扁平上皮を認め,円柱上皮への移行像も確認された....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 29; no. 5; pp. 673 - 676
Main Authors 照屋, 孝夫, 佐々木, 高信, 古堅, 智則, 國吉, 幸男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2015
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.29.673

Cover

More Information
Summary:先天性食道気管支瘻の1手術例を経験したので報告する.症例は50歳,女性.喀血を主訴に前医を受診した.胸部CTで右S6を中心とした浸潤影と気管支拡張所見を認め,精査にて食道気管支瘻の診断となった.当科紹介となり,手術を施行した.繰り返す肺炎のためか肺動脈周囲の炎症は強かったが,瘻管周囲の炎症は軽度であった.瘻管は食道憩室を含め自動縫合器で切除し,右下葉切除を行った.気管支及び瘻管の断端は肋間筋弁で被覆した.病理所見では瘻管内に粘膜筋板及び重層扁平上皮を認め,円柱上皮への移行像も確認された.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.29.673