術前, 血中ノルエピネフリン値が著しい高値を示した褐色細胞腫摘出術の周術期管理経験

術前に非常に高い血中ノルエピネフリン濃度を示した副腎褐色細胞腫の摘出術の周術期管理を経験した. 末梢血中ノルエピネフリン濃度は25,481pg/mlと著しい高値を示し, 異常高血圧を認めたため, α遮断薬などの降圧薬投与を行い術前の血圧管理を徹底した. また, 食事の塩分制限 (7g/日) を行い, 移動は車椅子とし日常生活の安静に努めた. その結果, 血圧は130/70mmHg前後に安定し, 術中の血行動態も比較的安定し重篤な循環虚脱を認めず手術を終了した. 本症例の麻酔管理においては, 術前の厳格な血圧管理が良好な周術期経過を得るために有用であったと思われる....

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 28; no. 1; pp. 122 - 127
Main Authors 神谷, 浩平, 福元, 美和, 星川, 民恵, 山川, 美樹子, 星, 光, 布川, 浩子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 2008
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.28.122

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Summary:術前に非常に高い血中ノルエピネフリン濃度を示した副腎褐色細胞腫の摘出術の周術期管理を経験した. 末梢血中ノルエピネフリン濃度は25,481pg/mlと著しい高値を示し, 異常高血圧を認めたため, α遮断薬などの降圧薬投与を行い術前の血圧管理を徹底した. また, 食事の塩分制限 (7g/日) を行い, 移動は車椅子とし日常生活の安静に努めた. その結果, 血圧は130/70mmHg前後に安定し, 術中の血行動態も比較的安定し重篤な循環虚脱を認めず手術を終了した. 本症例の麻酔管理においては, 術前の厳格な血圧管理が良好な周術期経過を得るために有用であったと思われる.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.28.122