腹部造影CTにて診断し得たFitz-Hugh-Curtis症候群の2例

Fitz-Hugh-Curtis症候群は若年女性に見られる骨盤内腔炎から肝周囲炎に至る疾患で,婦人科症状などが乏しく,診断に苦慮することがある.症例は21歳と45歳の女性で,いずれも婦人科的には殆ど異常を認めないにも拘らず,下腹部から上行性に上腹部痛を認め,腹骨盤部CTにて造影早期に肝表面に淡く造影効果を認めたFitz-Hugh-Curtis症候群であった.上行性に移動する若年女性の上腹部痛の場合には同疾患を疑い,造影CT早期相にて肝表面に淡い濃染像を確認することが診断に有用と考えられる....

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 99; no. 11; pp. 2827 - 2829
Main Authors 岡本, 亜希子, 豊田, 剛成, 笠井, 大嗣, 田中, 覚, 岩間, 糾, 森本, 高太郎, 有賀, 俊二, 安藤, 健二, 川嶋, 将司, 兼松, 孝好
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 2010
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Summary:Fitz-Hugh-Curtis症候群は若年女性に見られる骨盤内腔炎から肝周囲炎に至る疾患で,婦人科症状などが乏しく,診断に苦慮することがある.症例は21歳と45歳の女性で,いずれも婦人科的には殆ど異常を認めないにも拘らず,下腹部から上行性に上腹部痛を認め,腹骨盤部CTにて造影早期に肝表面に淡く造影効果を認めたFitz-Hugh-Curtis症候群であった.上行性に移動する若年女性の上腹部痛の場合には同疾患を疑い,造影CT早期相にて肝表面に淡い濃染像を確認することが診断に有用と考えられる.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.99.2827