ポリスチレンスルホン酸カルシウム内服により回腸狭窄・イレウスを来した1例

症例は75歳,男性.慢性腎不全,高カリウム血症で6年前よりポリスチレンスルホン酸カルシウム(calcium polystyrene sulfonate:CPS)を内服していた.腹痛・嘔吐で近医を受診し,イレウスの診断で紹介された.回腸に5cm長の狭窄と口側の腸管拡張を認め,減圧の後に回腸部分切除術を施行した.切除標本で狭窄部に腫瘍や癒着はなく,炎症細胞浸潤,線維化,肉芽,粘膜下層にCPSと考えられる好塩基性異物と異物型巨細胞を認め,CPSの腸管への沈着により狭窄・イレウスを来した稀な一例と考えられた....

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 102; no. 1; pp. 150 - 152
Main Authors 加藤, 総介, 小野, 雄司, 高木, 智史, 吉田, 純一, 平川, 昌宏, 伊東, 竜哉, 中西, 勝也, 荻野, 次郎, 長谷川, 匡
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 2013
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Summary:症例は75歳,男性.慢性腎不全,高カリウム血症で6年前よりポリスチレンスルホン酸カルシウム(calcium polystyrene sulfonate:CPS)を内服していた.腹痛・嘔吐で近医を受診し,イレウスの診断で紹介された.回腸に5cm長の狭窄と口側の腸管拡張を認め,減圧の後に回腸部分切除術を施行した.切除標本で狭窄部に腫瘍や癒着はなく,炎症細胞浸潤,線維化,肉芽,粘膜下層にCPSと考えられる好塩基性異物と異物型巨細胞を認め,CPSの腸管への沈着により狭窄・イレウスを来した稀な一例と考えられた.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.102.150