腹腔鏡補助下低位前方切除術後に発症した5mmポートサイトヘルニアの1例

患者は68歳,女性.直腸癌に対し腹腔鏡補助下低位前方切除を行った.術後第3病日にイレウス症状認め当初麻痺性イレウスと診断された.しかし腹部CT検査で左中腹部の5mmポート刺入部に腸管の吊り上がり像を認め,イレウス管による減圧を行ったが造影検査で5mmポート刺入部に一致し腸管の閉塞像を認めたため再手術を行った.手術所見は5mmポート刺入部の筋膜下に回腸が嵌頓したRichter型ヘルニアであった.ポート創を延長しイレウスを解除し,ヘルニア門を閉鎖した.手術操作によるポート刺入部の開大が原因と考えられた.10mm径以上のポートサイトヘルニアの報告は散見されるようになったが,5mm径のポートサイトヘル...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 70; no. 6; pp. 1884 - 1889
Main Authors 王, 孔志, 岡田, 敏弘, 鈴村, 和大, 吉田, 康彦, 杉原, 正大, 藤元, 治朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2009
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Summary:患者は68歳,女性.直腸癌に対し腹腔鏡補助下低位前方切除を行った.術後第3病日にイレウス症状認め当初麻痺性イレウスと診断された.しかし腹部CT検査で左中腹部の5mmポート刺入部に腸管の吊り上がり像を認め,イレウス管による減圧を行ったが造影検査で5mmポート刺入部に一致し腸管の閉塞像を認めたため再手術を行った.手術所見は5mmポート刺入部の筋膜下に回腸が嵌頓したRichter型ヘルニアであった.ポート創を延長しイレウスを解除し,ヘルニア門を閉鎖した.手術操作によるポート刺入部の開大が原因と考えられた.10mm径以上のポートサイトヘルニアの報告は散見されるようになったが,5mm径のポートサイトヘルニアは非常に稀であるが手術操作により発生しうるので注意する必要がある.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.70.1884