肝生検にて診断し得た,播種性血管内凝固症候群を合併した肝血管肉腫の1例

症例は68歳男性.貧血を主訴に入院した.造影剤アレルギーがあるため,造影CTおよびMRIを用いた質的診断が困難な肝腫瘍を認めた.腫瘍生検にて腫瘍細胞はCD31陽性であり,肝血管肉腫と確定診断した.病状の悪化により入院後約2カ月で死亡し,剖検を施行した.肝臓には腫瘍が広範囲に浸潤性に増殖し,多臓器に血栓形成を伴う腫瘍塞栓を認めた.肝血管肉腫は悪性度が高く,全身に腫瘍塞栓が生じると播種性血管内凝固症候群を来しやすいので,早期に診断する必要がある.その際には経皮的肝生検も選択肢の一つとなり得る....

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Published in肝臓 Vol. 50; no. 8; pp. 451 - 458
Main Authors 三浦, 努, 三浦, 智史, 坪井, 康紀, 薄田, 浩幸, 高橋, 達, 柳, 雅彦, 山田, 聡志, 江村, 巌
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 2009
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.50.451

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Summary:症例は68歳男性.貧血を主訴に入院した.造影剤アレルギーがあるため,造影CTおよびMRIを用いた質的診断が困難な肝腫瘍を認めた.腫瘍生検にて腫瘍細胞はCD31陽性であり,肝血管肉腫と確定診断した.病状の悪化により入院後約2カ月で死亡し,剖検を施行した.肝臓には腫瘍が広範囲に浸潤性に増殖し,多臓器に血栓形成を伴う腫瘍塞栓を認めた.肝血管肉腫は悪性度が高く,全身に腫瘍塞栓が生じると播種性血管内凝固症候群を来しやすいので,早期に診断する必要がある.その際には経皮的肝生検も選択肢の一つとなり得る.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.50.451