成人気管軟化症に対するポリプロピレンメッシュを用いた膜様部外固定術

症例1は76歳・男性.突然の心肺停止を発症.蘇生後精査にて気管軟化症と診断しポリプロピレンメッシュを用いた気管気管支膜樣部外固定術を施行した.術後2年が経過し自宅にて通常の日常生活を送られている.症例2は65歳・男性.労作時呼吸困難を自覚し精査にて気管軟化症と診断した.気管へのステント留置を施行し一時的に呼吸状態は改善したが肉芽による気道狭窄症状の再燃を認めた.気管ステント抜去とポリプロピレンメッシュを用いた気管気管支膜樣部外固定術を施行した.ステント留置後による著明な気道浮腫のため呼吸状態の改善に時間を要したが術後56日目に自宅退院され,術後14ヵ月が経過し自宅にて通常の日常生活を送られてい...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 30; no. 4; pp. 482 - 487
Main Authors 高濱, 誠, 山本, 良二, 木村, 通孝, 月岡, 卓馬, 井上, 英俊, 中嶋, 隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2016
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.30.482

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Summary:症例1は76歳・男性.突然の心肺停止を発症.蘇生後精査にて気管軟化症と診断しポリプロピレンメッシュを用いた気管気管支膜樣部外固定術を施行した.術後2年が経過し自宅にて通常の日常生活を送られている.症例2は65歳・男性.労作時呼吸困難を自覚し精査にて気管軟化症と診断した.気管へのステント留置を施行し一時的に呼吸状態は改善したが肉芽による気道狭窄症状の再燃を認めた.気管ステント抜去とポリプロピレンメッシュを用いた気管気管支膜樣部外固定術を施行した.ステント留置後による著明な気道浮腫のため呼吸状態の改善に時間を要したが術後56日目に自宅退院され,術後14ヵ月が経過し自宅にて通常の日常生活を送られている.気管軟化症は気管支鏡検査施行症例の4.5~8.2%に認められ,症状が強い場合には外科治療の適応となる.ポリプロピレンメッシュを用いた膜様部外固定術は気管軟化症に対する有効な治療法と考えられた.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.30.482