FDG-PETで陽性となった肺内リンパ節の一例

FDG-PETで陽性となった肺内リンパ節の1症例を報告する.症例は77歳女性.胸部異常陰影を主訴に受診.胸部CTで右肺中葉S5に9 mm大のspiculaを伴う不整な結節影を認めた.FDG-PETではSUVmax:1.3となり,他の組織の集積と比較して陽性と診断した.悪性疾患の可能性を否定できなかったため,胸腔鏡下右中葉部分切除術を施行した.胸腔内は全面に癒着を認め,過去に胸腔内に炎症が存在したことが示唆された.切除標本は9 mmの黒色結節であり,病理診断で結節は境界明瞭で類円形~紡錘形に示す組織球様細胞が線維性結合組織を伴った増生を認め,部分的に炭粉貪食像がみられることから肺内リンパ節との診...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 30; no. 7; pp. 866 - 870
Main Authors 喜田, 裕介, 池田, 敏裕, 横見瀬, 裕保, 奥田, 昌也, 徳永, 義昌, 横田, 直哉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2016
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.30.866

Cover

More Information
Summary:FDG-PETで陽性となった肺内リンパ節の1症例を報告する.症例は77歳女性.胸部異常陰影を主訴に受診.胸部CTで右肺中葉S5に9 mm大のspiculaを伴う不整な結節影を認めた.FDG-PETではSUVmax:1.3となり,他の組織の集積と比較して陽性と診断した.悪性疾患の可能性を否定できなかったため,胸腔鏡下右中葉部分切除術を施行した.胸腔内は全面に癒着を認め,過去に胸腔内に炎症が存在したことが示唆された.切除標本は9 mmの黒色結節であり,病理診断で結節は境界明瞭で類円形~紡錘形に示す組織球様細胞が線維性結合組織を伴った増生を認め,部分的に炭粉貪食像がみられることから肺内リンパ節との診断であった.FDG-PETで集積を示す結節は,悪性疾患,炎症性疾患などが鑑別に挙がるが,炎症の既往があった場合には肺内リンパ節も鑑別候補として考慮する必要がある.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.30.866