同種造血幹細胞移植後に発症した歩行障害に対する運動器リハビリテーションの効果の検討
【目的】造血器腫瘍に対する同種造血幹細胞移植(以下,同種移植)後に対麻痺などの神経障害を発症する症例をときに経験する.当院における同種移植後の神経障害について,その特徴を報告する.【方法】当院造血幹細胞移植科にて2015年1月1日から2020年5月30日までの期間に同種移植が行われた後,神経障害を発症した17例を対象とした.年齢,性別,原疾患,機能的転帰などを後方視的に検討した.【結果】原疾患は悪性リンパ腫11例,白血病6例だった.性別は男性6例,女性11例,移植時の年齢は中央値59歳だった.同種移植前には全例運動麻痺はなかったが,最終観察時のフランケル分類はA 3例,B 5例,C 4例,D...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 74; no. 2; pp. 244 - 247 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
25.03.2025
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Subjects | |
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ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.74.244 |
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Summary: | 【目的】造血器腫瘍に対する同種造血幹細胞移植(以下,同種移植)後に対麻痺などの神経障害を発症する症例をときに経験する.当院における同種移植後の神経障害について,その特徴を報告する.【方法】当院造血幹細胞移植科にて2015年1月1日から2020年5月30日までの期間に同種移植が行われた後,神経障害を発症した17例を対象とした.年齢,性別,原疾患,機能的転帰などを後方視的に検討した.【結果】原疾患は悪性リンパ腫11例,白血病6例だった.性別は男性6例,女性11例,移植時の年齢は中央値59歳だった.同種移植前には全例運動麻痺はなかったが,最終観察時のフランケル分類はA 3例,B 5例,C 4例,D 4例,E 1例だった.【考察】同種移植後に神経障害を発症した症例群において,12例(70.6%)が歩行不能となった.残存機能を活用する代償動作の獲得訓練も重要と考えられた. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.74.244 |