胃静脈瘤の治療後にインターフェロン療法を施行し著効が得られたChild-Pugh class BのC型肝硬変の1例

症例は52歳,男性.C型肝硬変のため近医で肝庇護剤により加療中,2005年AFPの上昇あり当院に紹介となった.画像検査で肝細胞癌は認めなかったが,内視鏡検査で軽度の食道静脈瘤と胃静脈瘤(Lgf:F3, RC-)を認めた.腹水,脳症は認めず,T. Bilの軽度上昇とプロトロンビン(PT)活性の低下がみられChild-Pugh(CP)scoreは8点であった.HCV-genotype 2a, RNA量は低値であったため,BRTOにて胃静脈瘤を治療後,IFN-β 600万単位連日後300万単位週3回を計32週間投与した.投与終了後1年を経過しHCV-RNAの持続陰性化とともに,T. Bil, PT活...

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Published in肝臓 Vol. 49; no. 7; pp. 307 - 313
Main Authors 佐藤, 明, 足立, 香代, 石井, 俊哉, 山口, 雅代, 小林, 美佳, 林, 幹人, 田端, 美弥子, 野元, 雅仁, 二階, 亮
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 2008
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Summary:症例は52歳,男性.C型肝硬変のため近医で肝庇護剤により加療中,2005年AFPの上昇あり当院に紹介となった.画像検査で肝細胞癌は認めなかったが,内視鏡検査で軽度の食道静脈瘤と胃静脈瘤(Lgf:F3, RC-)を認めた.腹水,脳症は認めず,T. Bilの軽度上昇とプロトロンビン(PT)活性の低下がみられChild-Pugh(CP)scoreは8点であった.HCV-genotype 2a, RNA量は低値であったため,BRTOにて胃静脈瘤を治療後,IFN-β 600万単位連日後300万単位週3回を計32週間投与した.投与終了後1年を経過しHCV-RNAの持続陰性化とともに,T. Bil, PT活性は改善しCP scoreは5点となっている.静脈瘤を伴う進行したC型肝硬変でもgenotype,ウイルス量によってはIFN治療を検討すべきであると考えた.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.49.307