感染性仮性肺動脈瘤を伴う肺膿瘍に対して肺動脈コイル塞栓術,右中下葉切除術を施行した1例

症例:特に既往のない49歳女性.3週間続く乾性咳嗽を主訴に他院を受診,胸部単純写真で右肺炎と診断され抗菌薬加療も,症状は改善せず喀血を生じたため当院入院となった.入院後も喀血が続き造影CTを施行,右中下葉の肺炎と肺膿瘍,肺動脈瘤と診断された.責任血管と考えられたA8bに対してTAEを施行し一時的に喀血は消失したが,TAE後5日目に大量喀血を来たした.気管支動脈造影では病変は造影されず,造影CTで瘤の増大を認めたため,準緊急で右中下葉切除,気管支断端肋間筋被覆,肺動脈形成術を施行.術後は順調に経過し術後11日目に退院となった.病理所見で器質化肺炎,仮性肺動脈瘤と診断された.結語:末梢性肺動脈瘤に...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 31; no. 7; pp. 950 - 956
Main Authors 池田, 晋悟, 森, 正也, 吉村, 邦彦, 星野, 竜広, 坂井, 貴志, 横田, 俊也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2017
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.31.950

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Summary:症例:特に既往のない49歳女性.3週間続く乾性咳嗽を主訴に他院を受診,胸部単純写真で右肺炎と診断され抗菌薬加療も,症状は改善せず喀血を生じたため当院入院となった.入院後も喀血が続き造影CTを施行,右中下葉の肺炎と肺膿瘍,肺動脈瘤と診断された.責任血管と考えられたA8bに対してTAEを施行し一時的に喀血は消失したが,TAE後5日目に大量喀血を来たした.気管支動脈造影では病変は造影されず,造影CTで瘤の増大を認めたため,準緊急で右中下葉切除,気管支断端肋間筋被覆,肺動脈形成術を施行.術後は順調に経過し術後11日目に退院となった.病理所見で器質化肺炎,仮性肺動脈瘤と診断された.結語:末梢性肺動脈瘤において,喀血により全身状態が不安定な症例,再増大や再喀血を来たした症例,TAE施行も有効でない可能性がある症例に対しては,手術を考慮する必要がある.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.31.950