胸膜中皮腫に対する手術療法の検討

【目的】胸膜中皮腫に対する外科治療の現状を検討し報告する.【対象】2007年~2013年までに全国労災病院より集積された胸膜中皮腫264例のうち,手術が行われた60例に関して検討した.【結果】男性56例,女性4例で,平均年齢は65歳.組織型は,上皮型41例,肉腫型6例,二相型11例であった.病期は,I期17例,II期20例,III期22例,IV期1例であった.術式は胸膜肺全摘術(EPP)が55例,胸膜切除/剥皮術が1例,腫瘍切除が4例に行なわれていた.補助療法は30例に行なわれていた.手術症例の生存期間中央値は17.0ヵ月であった.全例におけるCox回帰による多変量解析では,手術療法が予後因子...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 29; no. 4; pp. 435 - 441
Main Authors 平山, 伸, 西, 英行, 清水, 信義
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2015
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.29.435

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Summary:【目的】胸膜中皮腫に対する外科治療の現状を検討し報告する.【対象】2007年~2013年までに全国労災病院より集積された胸膜中皮腫264例のうち,手術が行われた60例に関して検討した.【結果】男性56例,女性4例で,平均年齢は65歳.組織型は,上皮型41例,肉腫型6例,二相型11例であった.病期は,I期17例,II期20例,III期22例,IV期1例であった.術式は胸膜肺全摘術(EPP)が55例,胸膜切除/剥皮術が1例,腫瘍切除が4例に行なわれていた.補助療法は30例に行なわれていた.手術症例の生存期間中央値は17.0ヵ月であった.全例におけるCox回帰による多変量解析では,手術療法が予後因子であり,EPPでは,補助療法の有無,Pemetrexed併用が予後因子であった.【結論】I+II期に対する手術療法を選択することに問題はないと考えられた.現時点では,EPPが主に行われていた.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.29.435